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憂鬱

今年は、年末年始から「家族」に関する陰鬱なニュースが多くて、気が重い。
家族って、いったい何なのでしょう?

私の、父までの一族は「犬神家の一族」や「斜陽」に
出てくるような栄華を誇った後の没落さが漂い、そしてその様相は、
私が子供の頃テレビで見ていた「サザエさん」や「ケンちゃんチャ子ちゃん」
の世界にあったような、平凡だけれども「暖かい団欒」とかけ離れていたため、
子供の頃から、「家族って何だろう?」と悩んでいた。
(例えば、食事の時間はいつも「食べ方」の授業みたいだった。)
真剣に、「○○ちゃん家の子供になりたい」と神様にお祈りしたりして・・・。
けれども、小学校の周囲からは「良い家」に見られたりして、またそれが
誰にもいえない、私一人の悩みだった。

大学の卒論もテーマは、「社会変化に伴う家族の変容と、女性の役割」。
当時、アメリカでは「父も母も、子供(子供はレンタルチャイドルや養子)も
みんな他人で構成される」家族スタイルが流行っていて、
(要は少し前までのブラピ家族みたいなもの)
日本の家族って、将来どうなるんだろう?というのが私の興味の的でした。

親子やいわゆる「族」って、血でつながっているから素晴しいのだけれども、
そのことによって、それが生きる「足かせ」になっていたら、ツライ。
ほんとに、家系って、ある意味どうでもいいと思う。
家も、ルーツは織田信長と戦った東本願寺の僧侶と聞いているけれども、
曾祖父になるまでの間、「何をしていたのか」知らない(苦笑)。
(父親に聞けば、わかるのかな?)
大体、「家(柄)」なんて、祖先をさかのぼれば、ほとんどの人が
きちんと言えないのに、「うちは○○だ」とかにこだわる。
そもそも、京都の老舗だってたまたま3代以上続いているけれども、
ルーツは、小さい普通の店舗がほとんだと思う。
(まあ、そういう意味では「続ける」という行為は、尊敬します。)
基本は、ごはんと漬物と味噌汁だけで「美味しいね」と言い合えることだ。

個人的には、年末の、特にマスコミがやたらと「家族、家族、家族」と囃し立てていた
ことの反動が、ゆがんで出てしまった感じがしないでもない。

むずかしい。

「知識」や「情報」を得ることは、大切なことだけれども、
「知らない」でいることのほうが幸せなこともある。
前に、会社の同僚がアラブへ旅行へ行った際、そこの女性たちは、
他の国の女性たちが、男性と同じように力をつけて自由に生きているかを
知らず、貞淑になんとなくゆったりとした一日を過している様を見て、
「それはそれで、とても幸せに見え、こんなに働いている自分は何だろう?」
と感じたそう。


昨今のフセインの死刑映像流出もそうだし、
気づかなくてもいいことや、知らなくてもいい情報を入手してしまって、
悩んでしまう毎日が憂鬱だ。
by urawhich | 2007-01-10 12:33 | 散文
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